『空っぽの不幸』

孤独は美しく
悲しい言葉は絵になるから
私はいつも、憂いていた。

都会の夜景を悪にして
わざわざ星を探したり。

相手のいない、悲恋をしたり。

テレビのチャンネルを回せば
笑いの一つでも得られるのに、
純文学の涙の香りに浸っていた。

そういう風に生きていたいだけなのに
そういう風にしか生きられないのだと

また今日も、悲劇ぶる。

空っぽの、悲劇のヒロイン。


photo by「眠り猫」様
2018.12.16