『夏鳴』

28℃のシェルターを出ると
ミンミンシャワシャワ、チリンチリン。
懐かしい匂いで、夏が鳴る。

絵日記に描くことが無くなってから

貯金箱を作らなくても
算数ドリルが出来ていなくても
夏は勝手に、終わっていくけれど。

でも、花火大会には行こうよ。

折角の夏なんだから。


photo by「桂田」様
2018.06.02








夏の音はサイレンのよう。

海に行け、祭に行け、夏を楽しむべきだと

義務感と焦燥感を掻き立てる。





ふと見た水面が、明るく眩しかったら。

きっとそこは、出口。

はたまた、落とし穴。
どちらにしろ、飛び込んでみないとはじまらない。