『幸福の教典』

幸せに、定義や規則があるのだとしたら
私は無知のままで良い。

たとえ今が泪の雨でも
雨はやがて洪水となり
再び世界を海の底に沈めてしまうから。

その頃、滲んだ教典を前に
穏やかに微笑むことができるなら。

私は、幸せを学ぼうとは思わない。

幸福を識り、不幸を知ろうとは思わない。


photo by「匿名希望」様
2018.03.06




博識の泪は濁り、淀み
泳ぐことすらままならない、
底なしの沼。