『残夜』

薄暗い、薄明るい、朝の森。

湿っぽい夜の残り香や
ひんやり冷たい空気が
木の影や石の下に、潜んでいる。

ああ

昨晩、あんな夢を見たせいで

正夢にしてしまいそう。


photo by「くれよん」様
2017.09.30




すべて、胡蝶の夢。

なんて

途方も無い、無責任な言い訳。







ザア。ザア。ザア。
季節の風に、波打つ花々。

流される。流される。
溺れる。溺れる。

いくら手を振っても
意地っ張りな笑顔を止められなかったから

SOSに、気付いてもらえなかった。