『0.1のわたし』

蒼と碧の風が、私をリセットしていく。
私でなくてもいい私を、洗い流していく。

てっきりゼロになるものかと思っていたけれど、
全くカラッポの人生でも無かったらしい。

本当に大切な0.1だけ、残っていた。

さあ、今からもう一度、私になろう。

例え右も左も分からなくても
誰にも左右されないような

私になろう。


photo by「紺碧のしぐま」様
2017.09.09


生真面目に生きてきたから
美味しい道草の味も知らないの。

食べられる草と
そうでない草の見分けがつかない私は

いつか毒にやられて死ぬのでしょうね。





夏は、あなたが遠い季節だった。

言葉は蝉の声に掻き消されて
姿は陽炎に飲まれる。

早く寒くなれば良い。
あなたがどこにも行きたくなくなるくらい。
どこに居ても早く帰って来たくなるくらい。

そうしたら、二人、
ホッカイロ替わりに恥ずかしいセリフを言い合ったりできるのにね。