『最後の一瞬』

珍しい模様の蝶々が、キラッと光った。
緑色に香る風が、頬を撫でた。
熟れて落ちた果実が、靴裏で弾けた。

今まで百も千も繰り返してきたような
何気ない出来事。

けれどその一つ一つが唯一無二で、

最初で最後の、一瞬。


photo by「佐藤忠雄」様
2017.4.30






わたしのこと。
例えばあたしと言ってみたり、僕と言ってみたりすると
とたんに訳がわからなくなる。



風にも太陽にも負けないよ。

でも、あなたが「似合わない」と言えば

わたしはマントを脱ぐでしょうね。