『花時雨』

春の雨は、嫉妬深い。

愛でられる花を傘で隠して
あっと言う間に散らしてしまう。

降らなければ、恨まれることは無かった。

けれど

忘れられるよりは、嫌われた方がマシだから。

冷たく悲しい、花時雨。


photo by「鈴木真吾」様
2017.04.09





惜しまないで下さい。
悲しまないで下さい。

散るために、咲いていたのですから。



昨晩、幸福な夢を見た。

夢から醒めた時
その幸せがただの夢だったと知り、

幸福な夢は、不幸な悪夢になった。