
『赤の品格』
気高く生きていたかった。
それだけだったのに
ここに居るのは、
ただの孤独な性悪女。
真っ赤な嘘で塗り固められた
赤の他人のような、私。
photo by「Zuki」様
2016.09.07



排水溝に流れた私の髪はね、
深く暗く冷たい場所で
あなたの髪を探して彷徨い続けるの。
寂しい夜は
そんなことばかり妄想しているわ。
ねえ、今、私のこと
気持ち悪いと思ったでしょう。




雨音に隔離された午後。
何もかもが、とても遠い。
窓の外のぼやけた灰色は
大洪水で荒れ狂う、
世界の最期のようだった。







言葉が通じる。
想いが通じる。
なのに、異国みたいな不思議な場所。
飛行機二時間半、琉球王国。

