『.』

終わりは静かに、唐突に訪れる。
追いかけっこの鬼のように
私の後ろをついて回るその小さな足跡は、

“ピリオド”


photo by「渡邊浩太」様
2016.05.22






あんなに騒がしかった妖精たちの声も
もう、聞こえない。

みんな、どこへ行ってしまったの?

わたしは、どこへ来てしまったの?



調和に満ちた箱庭は
些細なきっかけで崩れ始める。

バタフライ・エフェクト。

それはたった一羽の
蝶の羽ばたきのような、

あなたの一声。




起きたくないの。
醒めたくないの。

眠たい目をこするフリをして
涙を拭う。

「おはよう」だなんて
残酷な言葉で迎えるのはよしてよ。